農業改革 agricultural reform 2004 1 15
日本は、多くの分野で、先進国ですが、
農業という分野では、遅れている国と言えます。
日本の農業は、守ることばかり考えていて、
攻める経営を考えていないのです。
多くの日本製品は、世界を相手に、勝負できるレベルとなりましたが、
日本の農業は、ひたすら守ることばかりで、攻めることは考えていないのです。
その原因は、技術力と資本力が不足しているからです。
だから、株式会社の農業参入は必要なのです。
ヨーロッパにしても、アメリカにしても、
国境が陸続きで、国同士で影響を受けやすいという欠点があります。
日本は、海で囲まれていますので、
日本列島全体が、無菌室にも、なり得るのです。
こういう点では、外国に比べて、有利なのです。
ですから、こういうメリットを生かして、
世界に勝てる農産物を作ることは可能です。
また、今後の、世界の人口の推移を考えれば、
深刻な食糧不足が予想できます。
こういう場合に備えて、バイオテクノロジーで、
一本の植物から、大量に果実が実るような技術開発が必要です。
また、技術だけでなく、生産ノウハウも重要です。
これは、国際貢献になるのです。
今のままでは、世界的に、深刻な食糧不足の可能性があるのです。
日本の農業は、
「世界に勝つ」という発想、
「国際貢献」という発想が、まったく欠けています。
また、株式会社の農業参入によって、意外な効果もあります。
若者は、どうしても、イメージで判断してしまいます。
そうすると、若者にとって、農業は、イメージが悪いのです。
しかし、大手総合商社が、農業に参入したら、
若者の、農業に対するイメージが変ります。
都会に出て行ってしまう若者を、田舎に引きつける可能性があります。
また、公共事業の抑制によって、経営が苦しくなった土建業者にも、
農業への参入を認めるべきです。
地元の土建業者ならば、地元と運命共同体でしょう。
それから、農林水産省自身の改革が必要でしょう。
今の状態では、農民を守るというよりも、
農林水産省自身を守っているように見えます。
経済評論家によっては、農林水産省の予算額は、
景気がよかった頃は、サラリーマンの納税額に匹敵すると言っていました。
もし、そうならば、
サラリーマンの税金は、農林水産省の予算に消えたとも言えるでしょう。
明治維新後の日本は、弱小国家だったのです。
しかし、明治時代の人は、守りの姿勢にはなっていませんでした。
世界に負けないように、
世界に追いつき、
いつか世界に勝つと考えていました。
そういう点からすると、今の日本人は、江戸時代の人に戻ってしまいました。
明治時代の気概は、消えてしまったのです。
明治維新の英雄が、今、生きていたとしたら、どれほど、悲しむことでしょうか。